2025.04.01
開講学部 | システムデザイン工学部/デザイン工学科 |
科目名 | ワークショップ |
担当教員 | 【システムデザイン工学部/デザイン工学科】 鈴木 真・山本 景子・伊藤 潤・東 孝文・坂 知樹 |
「ワークショップ」は1年次後期の必修科目であり、デザイン思考などの「デザイン工学」における重要な考え方や基礎的なアプローチを学ぶ演習である。具体的には、現実社会に存在する問題の発見、それに対するソリューションを提案するための思考方法、系統的に検討する方法やまとめ方を習得することを、少人数グループで取り組む。problemに対してproject的方法で取り組むことが目的の科目であり、PBL科目に該当する。
2022年度の新カリキュラムで現在の内容に改め、2年間の運営を通じて発想をプロトタイピングしプレゼンテーションする能力を最低限習得させることができたが、課題として問題定義や工学的ソリューションの着想が経験も乏しい学部1年次ゆえに似通ったものに留まることが多かった。教育側としては、デザイン工学を学ぶ者として、個人的な視野に留まったり技術や手法ありきで発想したりするのではなく、幅広いフィールドに目を向け、問題解決のためどのような方法があり得るか広く検討する姿勢を身につけてほしいと考え、社会問題に実践的に取り組んでいるNPO法人や最先端の科学技術をビジネスに応用しているベンチャー企業などの外部講師による講演を取り入れる。また、エンジニアとして最先端のデバイスに触れる経験も重要である。
【グループ分けの方法】
本科目は、個人で行うデザイン手法と電気・情報についての実習と、少人数グループで身近な問題をとりあげ具体的に解決する方法を提案するグループワークからなっている。後者では1グループあたり4~5名とし、前者の履修状況と男女の人数を加味してランダムに割り当てた。
【授業環境】
グループワークでは、学科演習室1~3を使用し各グループにテーブルを割り当て、全体説明の際はZoomによる室間配信を利用した。
【問題の提示方法】
グループワークの最初に外部講師による講演を実施した、その後ブレインストーミング、親和図法について説明し、「誰かを助けるもの、楽しくするもの」についてアイデア出しを行わせた。各グループでコンセプトを決めた後、基本的な部品や材料を提供し,個人実習で学んだことを活かし考案したアイデアの具現化に取り組んだ。
【成果発表方法】
最終回にプレゼンテーションを各グループ3分で行い、その後ポスターと実機展示での質疑応答とした。最後に外部講師と教員による講評を行った。
提出物に基づき以下のように評価した。
個人実習(デザイン) 25%
個人実習(電気・情報) 25%
成果発表 40%
グループワークの個人レポート 10%
成果発表後にWebClassでアンケートを実施した。
Q1 なにかをつくることを体験できたと思いますか
Q2 問題発見力について学べたと思いますか
Q3 課題解決力について学べたと思いますか
Q4 外部講師の講演は良かったと思いますか
グループワークで自分たち大学生とは違う立場のユーザーを対象としたところ、育児支援などのアイデアでリサーチ不足のテーマが目立った。テーマの出し方について検討が必要である。
またプレゼンテーションやポスターについて、評価のため体裁を揃えさせる一方で、各グループの創意工夫も活かしてほしいので、どこまで見本を提示するかの見極めも重要である。
グループ分けについて基本はランダムとしたが、プログラミングが得意な学生が偏るなどの例が見られた。今後は、個々の学生の得意分野について配慮する工夫が可能かについても検討していきたい。
第1回 ガイダンス
第2~7回 個人実習
デザイン(3回) Illustrator初歩,立体を作る
電子・情報(3回) Arduinoのプログラミングと回路製作
第8回 外部講師講演、以降はグループワークでアイデア出し
第9回 コンセプト決め、必要な部品や材料の見積もり
第10~13回 作業分担して製作、プレゼンテーションやポスターの準備
第14回 成果発表会、講評
〇PBLを主体とした教育への取組みに対する支援(PBL教育支援プログラム学内公募)
東京電機大学教育開発推進室では、平成23年度から「学生が主体となって学ぶ」形式を取り入れた、いわゆる「PBL(Problem-Based Learning又はProject-Based Learning)」による教育の開発・運営を「PBL教育支援プログラム」として支援し推進しています。
PBL教育支援プログラムは、これからPBLを取り入れていこうと考えている教員やすでに実践しているPBLをさらに工夫しようと考えている科目を対象に支援を行い、その実践と成果を学内の関係者と共有し、学生の学びを主体とした教育の推進を図ることを目的としています。