2025.04.01
開講学部 | 理工学研究科/情報学専攻 |
科目名 | 情報と物質特論 |
担当教員 | 【理工学部/情報システムデザイン学系】 勝本 雄一朗 |
「情報と物質特論」は、情報技術をもちいたメディア表現について実践的(≒デザイン思考的)に学ぶことを旨としている。履修者の大多数は、学部時代にプログラミング、デジタルファブリケーションなどスキルを習得しているが、それを社会のリアルな問題に適用する経験は著しく欠けている。修士に相応しい専門家教育を提供するには、テストベットをもつ学外の組織・企業・団体との協働が欠かせない。この課題をPBL教育支援プログラムの支援によって解決しようと試みた。
他方、埼玉県こども動物自然公園は、公益財団法人埼玉県公園緑地協会によって運営される県立の動物園であり、本学埼玉鳩山キャンパスと山を隔てて隣接している(直線距離で2km)。こども動物自然公園では、2010年代より夏季にナイトズーを企画し、夜間の動物の生態を観察する機会を提供するとともに、園内をイルミネーション等で飾り付け、来場者をもてなしている。
そこで本授業は、こども動物自然公園の協力のもと、学生が主体となってインタラクティブなイルミネーションをデザインした。具体的には、現地でのフィールドワークをもとにナイトズーに相応しい展示物を考案し、循環的なプロトタイピングによってイルミネーション作成、学内での耐候テスト経て、ナイトズー2024に設置した。
Wikiでの情報共有の貢献回数、実作業の貢献時間をもとに成績を付けた。単位授与の基準を超える学修時間が見られたため、全員に高い評価を与えた。
授業時間外や週末に学生が制作を行うためのスペースが必要である。ものづくりセンターにも学生が利用可能な場所はあるが、学生が実際に作業にとりかかれる夜間や休日は利用できない。やむにやまれず教員の研究室を開放したが、研究室の学生にとっては不便益になってしまった。
そこでPBL教育支援プログラムとして、経費の補助とは別に、スペースの補助があると心強い。
1-2回: イントロダクションとサーベイ
3回: 動物園でのフィールドワーク(現地調査と当事者インタビュー)
4-5回: アイディエーションとチーム編成
6-7回: 企画書の完成とプレゼンテーション
8-10週: プロトタイピング1期 (アイデアの具体化)
11-13週: プロトタイピング2期 (高品質高耐久の試作の作成)
14週: 学内での耐久試験
夏季休業期間: 納品、ナイトズーでの展示
〇PBLを主体とした教育への取組みに対する支援(PBL教育支援プログラム学内公募)
東京電機大学教育開発推進室では、平成23年度から「学生が主体となって学ぶ」形式を取り入れた、いわゆる「PBL(Problem-Based Learning又はProject-Based Learning)」による教育の開発・運営を「PBL教育支援プログラム」として支援し推進しています。
PBL教育支援プログラムは、これからPBLを取り入れていこうと考えている教員やすでに実践しているPBLをさらに工夫しようと考えている科目を対象に支援を行い、その実践と成果を学内の関係者と共有し、学生の学びを主体とした教育の推進を図ることを目的としています。